コンサルティング事例 有限会社坂田織物

絣文化を残す、福岡・久留米絣のテキスタイルブランド

約200年前に福岡県久留米で生まれた、綿素材の織物・久留米絣。夏は涼しく冬は暖かく、丈夫な生地は主に着物やもんぺとして用いられてきました。しかし洋装化などを背景とした需要の減少により、戦後300件あった久留米絣の織元は現在約20件となり、生産量は17分の1に。また久留米絣に限らず、日本の絣文化は今や絶滅寸前の状況です。

かねてよりこの状況に危機感を抱いていた、1948年創業の久留米絣の織元・坂田織物は、「絣を身近にする!」をビジョンに掲げ、中川政七商店のコンサルティングのもと新ブランドを立ち上げ。たどり着いたのは、絣文化を残すために、既存の製法にとらわれないことでした。

従来の染め分けて狙い通りに模様をつくる工程に加え、通常は廃棄する「くくり糸」の残糸をあえて織り糸に使用。くくり糸が織りなす不均一なグラデーションと、はっきり染められた絣の模様とのコントラストが共存する、新たな表情の生地が誕生しました。
1stコレクションでは、久留米絣の伝統的な技を土台にしながら製法・デザインを進化させた、さっと羽織って様になる「haori(羽織り)」のロング丈8柄、ショート丈8柄を発表。久留米絣の常識にとらわれない表現が好評を得ました。

有限会社坂田織物

有限会社坂田織物

産地:福岡県八女郡
アイテム:テキスタイルブランド
コンサルティング期間:2020.07.01~2022.03.31
コンサルティング領域:経営/ブランド/商品/コミュニケーション

コンサルタント、クリエイティブディレクション、プロダクトデザイン:堅田佳一(KATATA YOSHIHITO DESIGN)
グラフィックデザイン :三迫太郎
Webデザイン :中野浩明(スリー)

有限会社坂田織物
福岡県八女郡広川町長延602
0943-32-1402