中川政七商店、初主催の工芸アワード「地産地匠アワード2024」授賞式 グランプリは福島県・漆の種を埋め込んだ弁当箱「めぶく弁当」に決定!
中川政七商店、初主催の工芸アワード
「地産地匠アワード2024」授賞式
グランプリは福島県・漆の種を埋め込んだ弁当箱
「めぶく弁当」に決定!
11月5日から受賞作4点を企画展にて販売!
作り手への継続的な還元を目指すアワード
1716年創業の奈良の老舗・株式会社中川政七商店(所在地:奈良県奈良市、代表取締役社長 千石あや)は、当社が初めて主催する工芸アワード「地産地匠アワード2024」において、グランプリ1点、準グランプリ1点、優秀賞2点を決定いたしました。2024年11月5日(火)に東京・渋谷スクランブルホールにて、授賞発表式を開催。また同日より「中川政七商店渋谷店」ほか全国8店舗およびオンラインショップにて、受賞作を実際に展示・販売する企画展を開始いたしました。
地産地匠アワードは、「日本の工芸を元気にする!」をビジョンに掲げる中川政七商店による、ものづくりの新たな循環を目指した取り組みです。
「地産地匠」とは、地元生産×地元意匠(デザイン)のこと。地元メーカー× 地元デザイナー2者合同によるプロダクトを募集し、すべての受賞商品の販路支援まで行なう唯一無二のアワードです。すべての受賞作を中川政七商店が商品化・販売支援をすることで、メーカーとデザイナーが協働してこそ生まれる新しいスタンダードの発掘と、産地の作り手・デザイナーへの継続的な還元を目指します。
2024年度は、2023年10月から2024年1月まで応募を受け付け、日本全国27県から木工、漆器、染織、陶器、和紙、ガラスなど多彩な工芸素材を活かした合計80点の応募がありました。なお、第2回目となる2025年度の応募は2024年11月5日から2025年1月31日まで受け付けます。また新たに協賛制度「地産地匠サポーター」を設立。メーカーやデザイナー以外も本アワードに参画することで、新たなものづくりの循環をともに生み出していきます。
地産地匠アワード2024
応募期間:2023年10月~ 2024年1月31日
賞と賞金:グランプリ1点(100万円)、準グランプリ1点(50万円)、優秀賞2点(30万円)、すべての受賞商品を責任を持って販路支援
審査員:大治 将典氏、加藤 駿介氏、木本 梨絵氏、坂本 大祐氏
受賞商品:グランプリ「めぶく弁当」、準グランプリ「わっぱのケース・バスケット」、優秀賞「刺繍ポシェット」「越前瓦器」
公式サイト:https://nakagawa-masashichi.jp/chisan-chisho
■グランプリ:漆の種を埋め込み未来へ繋ぐ「めぶく弁当」(福島県猪苗代地域)
【特徴】
飯椀、汁椀、おかず皿が三段重ねになった会津漆器のお弁当箱。かつて、武田信玄が好んだとされる"信玄弁当"をモチーフに、現代でも使いやすい佇まいに仕上げました。蓋も兼ねる汁椀の高台部分に埋め込まれているのは「漆の種」。
長く使用した後、弁当箱としての役目を終える時が来ても種が残り、そこからまた漆の木が芽吹くかもしれない。そんな未来への希望を込めて、「めぶく」というシリーズ名がつけられています。
【開発背景】
漆のコーティングは非常に高い保護力を持ち、縄文時代の遺跡からもきれいな状態の漆製品が出土しています。それはまさに、時を超えたタイムカプセルです。
しかし漆は国内産がわずか5%で、ウルシの木の国内生育は危機的状況にあります。「種を残せば、漆を未来へ繋げられるかもしれない」そんな想いを込め、漆の種を埋め込んだ器が誕生しました。売上の一部は、作り手による「猪苗代漆林計画」の植栽活動に充てられ、今後、購入者向けの植栽イベントも予定しています。
【評価ポイント】
漆器が一般家庭で使われなくなりつつある中、漆のものづくりの生態系を世界に残していくための機能、意志、そして意匠が、「漆の種」に包括されている点が大きく評価されました。瞬間的なものづくりや消費ではなく、産地の持続性に目を向けた商品としての完成度が認められ、審査員の満場一致でグランプリを受賞しました。
【応募者】
メーカー:漆とロック株式会社/猪苗代漆林計画 貝沼航
2005年に福島県会津若松市にて創業。"繋ぐ・伝える・生み出す"を役割として、会津漆器を中心とした沢山の職人さんたちと共に活動する。
デザイナー:Helvetica Design株式会社 佐藤哲也
福島県須賀川市出身。福島の基幹産業でもある農業を中心に温泉街の再生プロジェクトや地域観光のリブランディングなどを担当。
プロダクトデザイン・製作:漆器職人(塗師・漆掻き) 平井 岳
1988年京都生まれ。2016年に福島県郡山市にて独立。福島県内でも2,3人しかいない貴重なプロの漆掻き職人として、漆の未来を担う。
■準グランプリ:街の支障木を暮らしに取り入れた「わっぱのケース・バスケット」(静岡県)
【特徴】「支障木(ししょうぼく)」とは、倒木の危険性があったり、私有地から道路にはみ出していたり、文字通り暮らしの"支障"になっている樹木のこと。街中で伐採せざるを得なくなった支障木を活用して生まれたのが「わっぱのケース・バスケット」です。それぞれの木の個性を活かすため、着色をせずに仕上げられています。
【評価】木の反りやうねりも個性ととらえ、唯一無二の木目を活かしたデザインであること。また本プロジェクトは、木こり・製材所・木工工房・家具工場・デザイナーなど各工程の専門家が参加し実現しています。既存の枠組みを超えて「新たな産地」を創出しようとする取り組みが評価され、準グランプリを受賞しました。
【応募者】メーカー:株式会社iwakagu 岩﨑翔/デザイナー:OTHER DESIGN 西田悠真
■優秀賞:刺繍の重なりだけで生まれる「刺繍ポシェット」(群馬県桐生市)
【特徴】持ち手以外をすべて刺繍糸で構成した、刺繍ならではの透け感としなやかさが特徴のバッグ。「布に刺繍をしない」独自技術を活かし、糸の重なりだけで形を形成することで、刺繍の魅力を身近に感じられる品に仕上げました。
【評価】シンプルな色味と繊細な刺繍のみの構成でありながら、ファッションアイテムとしての完成度が高いこと。また、既存のファッションブランドへの技術提供にとどまらず、メーカー自身がその確かな技術を製品で伝えようとする挑戦が評価されました。絹織物の産地としての新たな可能性を広げる取り組みが認められ、優秀賞を受賞しました。
【応募者】株式会社笠盛 野村文子/株式会社笠盛 片倉洋一
■優秀賞:屋根瓦をテーブルウェアへ転用した「越前瓦器」(福井県越前市)
【特徴】寒冷地の厳しい気候にも耐える屋根瓦として、北陸の景色をつくってきた「越前瓦」。その技術と佇まいはそのままに、日常使いしやすいテーブルウェアとして転用しました。スタッキングができ、電子レンジや食洗機にも対応しています。
【評価】瓦をそのまま器にするという大胆な発想と、瓦作りの押出成型技術を活かして、産地の工場で無理なく製造できる点が評価されました。また、伝統的なものづくりを現代に昇華させ、従来の瓦とは異なる新しい価値を創出したことも高く評価されています。デザイナーの深い理解とメーカーの挑戦心が表れた優秀賞の受賞商品です。
【応募者】株式会社越前セラミカ 石山享史/デザイナー:高橋孝治デザイン事務所 高橋孝治/プロデューサー:合同会社ツギ 新山直広
全国8店舗とオンラインショップで販路支援をスタート
地産地匠アワードはすべての受賞作の販路支援をすることにより、産地のメーカーやデザイナーに継続的に利益が還元される仕組みをつくります。11月5日からは全国8店舗の中川政七商店直営店とオンラインショップで販売をスタート。日本最大旗艦店である「中川政七商店 渋谷店」では、産地のものづくりまで紹介する記念企画展を開催しています(11月5日~12月3日)。また2025年2月開催予定の当社主催の合同展示会「大日本市」では、一部受賞者による出展も予定。中川政七商店の製造小売・流通支援のノウハウを活かし、責任をもって販路支援を行います。
取扱店舗
中川政七商店 渋谷店、中川政七商店 奈良本店、中川政七商店 KITTE丸の内店、中川政七商店 アミュプラザ長崎新館店
中川政七商店 栄 中日ビル店、中川政七商店 阪神梅田本店、中川政七商店 オンラインショップ
中川政七商店 浜松メイワン店(わっぱのケース・バスケットのみ)、中川政七商店 高崎オーパ店(刺繍ポシェットのみ)
※取り扱い店舗は変更になる可能性があります
販売情報
・「めぶく弁当」 税込37,400円 ※受注生産のため11/5~1/31まで受注受付、2025年9月にお届け予定
・「わっぱのケース平型」(全3種:樫、桜、カエデ) 税込14,300円
・「わっぱのケース筒型」(全3種:樫、桜、カエデ) 税込18,700円
・「わっぱのバスケット」(カエデ) 税込29,150円
・「刺繍ポシェット」(全2色:ホワイト、ブラック) 税込27,500円
・「越前瓦器 小」(全4色:銀鼠_Ginnezu、赤瓦_Akagawara、焼締_Yakishime、白釉_Hakuyu) 税込1,980円
・「越前瓦器 中」(全4色:銀鼠_Ginnezu、赤瓦_Akagawara、焼締_Yakishime、白釉_Hakuyu) 税込2,530円
・「越前瓦器 大」(全4色:銀鼠_Ginnezu、赤瓦_Akagawara、焼締_Yakishime、白釉_Hakuyu) 税込3,190円
・「越前瓦器 特大」(全4色:銀鼠_Ginnezu、赤瓦_Akagawara、焼締_Yakishime、白釉_Hakuyu) 税込3,960円
「地産地匠アワード2024」審査員一覧
大治将典氏(手工業デザイナー Oji & Design代表)
加藤駿介氏(デザイナー NOTA & design主宰)
木本梨絵氏(クリエイティブディレクター HARKEN代表)
坂本大祐氏(クリエイティブディレクター オフィスキャンプ代表社員)
「地産地匠アワード2025」11/5よりエントリー開始
第2回目となる2025年度の応募は、2024年11月5日から2025年1月31日まで受け付け予定です。引き続き日本各地の風土や手仕事が活かされたプロダクトを募集いたします。
2025年度は新たに協賛制度「地産地匠サポーター」を創設。
メーカーやデザイナー以外も本取り組みに参画することで、新たなものづくりの循環をともに生み出していきます。詳細は地産地匠アワード公式サイトで順次発表予定です。
https://nakagawa-masashichi.jp/chisan-chisho
〈お客様お問合わせ先〉
中川政七商店https://nakagawa-masashichi.jp/
〈報道関係者様お問合わせ先〉
株式会社中川政七商店 広報 佐藤 菜摘 080-3464-4622 kouhou@yu-nakagawa.co.jp