Sustainability 100年後の工芸のために

Sustainability100年後の工芸のために

いまこの時代に、ものをつくって売る企業として考え実践すべきこと。工芸が100年後にもつくり続けられ、選ばれ続けるために、私たちがより「いい会社」になり、さまざまなパートナーとともに「いい社会」をつくっていく、そのための取り組みをご紹介します。

社会や環境に配慮した
公益性の高い企業に対する国際認証制度
B Corp(B Corporation)

「B Corp」とは「B Corporation」の略で、社会や環境に配慮した公益性の高い企業に対する国際的な認証制度のことです。「B」は「Benefit(利益)」の意味で、社会や環境、従業員、顧客といったすべてのステークホルダーに対する利益を表し、米国の非営利団体であるB Labが運営しています。

2025年10月現在*、世界102カ国で10,000社以上がB Corp認証を取得しており、日本では60社以上が取得しています。当社は2023年から認証取得に取り組み始め、2年以上にわたる審査・評価を経て、認証条件となる「80点(200点満点)」を上回る「84.1点」を獲得し、認証に至りました。

B Corpは、企業を「ガバナンス・社員・コミュニティ・環境・顧客」の5つの領域で評価します。中川政七商店は特に、「コミュニティ」「社員」における活動が、B Corpの理念と深く結びつき、高く評価されました。

B Corp

取得の経緯やその意義について

中川政七商店はこれまで「日本の工芸を元気にする!」という言葉を掲げ、ビジョンの実現を最優先に事業を続けてきました。そのなかで、工芸の業界に留まらない良い影響を地域や社会に与えられる可能性を感じ、と同時に、工芸だけに留めていては工芸自体も危ういということ、工芸の価値を社会に伝える責任も感じてきました。

自分たちの事業が、経済・社会・環境にどういった良い影響を与えているのか、世界的な基準で客観的に評価してもらい、より理解を深めること。また、取り組むべきなのにまだできていないことを発見し補うこと。BCorpを取得していく過程を通して、より自分たちが「いい会社」に近づくことができると考え、今回取得するに至りました。

今後は、現状で足りていないポイントに対する改善と、3年後に切り替わる新基準に向けての準備に取り組んでいきます。

“工芸のしまいかた”を考える循環プログラム

工芸は暮らしの道具です。ライフスタイルの変化にともない、使わなくなったものや壊れてしまったものなど、道具には様々な変化が訪れます。人の手によって生み出された工芸だからこそ、手放すには惜しく、家の中で眠っているものも少なくありません。中川政七商店は、工芸に根ざしたものづくりを続ける企業として、「つくる」だけでなく「使われなくなったものの出口をつくる」ことにも取り組みます。循環プログラムは、使われなくなった当社商品を回収し、修復や再流通を経て暮らしに戻すとともに、その価値を作り手へ還元する仕組みです。
※詳細については、11月頃公開予定

いい会社と
ライフスタンスエコノミーをつくる
PARaDE

BCorp

PARaDEは、「これからの時代のいい会社」について考え、実践する企業の集まりです。規模や業種を超え、「いい会社とライフスタンスエコノミーをつくる」というビジョンに共感する計16社の企業が参画。中川政七商店は2022年6月の立ち上げ当初より参画しています。
利益や社会の共通善を追求するだけでなく、志や思想、哲学といった個別善=「ライフスタンス」を掲げて体現する企業を「いい会社」と定義し、「いい会社とライフスタンスエコノミーをつくる」をビジョンに、勉強会やワークショップ、参画企業のライフスタンスを発信するイベントなどを実施しています。