玉ねぎで涙がでない包丁
私は、包丁仕事が苦手です。
家では三徳包丁を使っていますが、苦手意識からか「さあ、刃物を使うんだぞ」と、いつも気負ってしまいます。
ペティナイフならもう少し気楽かな、と思っても、キャベツやかぼちゃなど大きめの野菜や、一枚肉を切る時には小さすぎて、夜ご飯の支度はやっぱり三徳がメインでした。
なので、この最適包丁を作る時、デザイナーの「三徳だと大きすぎるけど、ペティだと物足りない時がある」という思いを聞いて、「すごくわかる!」と同意しました。
まず持った瞬間「軽い!」、そして「小ぶり!!」を実感。
三徳に比べて刃渡りが4、5cm変わるだけで、ペティよりも大きいのに、かわいらしく思えました。
手におさまっている感覚があり、包丁が苦手な私にとっても「気軽に取り回せそう」と気持ちに余裕ができました。
これまで苦手意識を持っていた要因のひとつが、変に力が入ってしまい「指を切ったらどうしよう」と思ってしまうこと。
「切れ味がよくて長続きするように、薄刃に仕上げてあるんです」という、デザイナーの言葉と、「よく切れる包丁の方が力まないから、怖くないんだよ」という先輩主婦の言葉を信じて、いざ夕食の支度に投入。
メニューは筑前煮。人参、大根、蓮根をザクザクっと切ってみたところ‥‥力むことを忘れて切り終わっていました。切った後に、「あれ、普段はもっと肩に力はいってたはずなのに」と気づいたほどです。
それほど、スッと刃が入っていくんです。そして、切り口がいつもよりツルツルな気がしてきれい。
こうなると、いつもは怖いからスライサーを使っている、玉ねぎの薄切りにも挑戦。
怖いのもありますが、玉ねぎって、目が痛くなりますよね。涙がボロボロ出て、鼻水まで出そうになる。そこまでして頑張るなら、洗い物は増えるけどスライサーを使おう、という選択でした。
挑戦の結果‥‥玉ねぎも切れる切れる。すごく薄く切れるのが楽しくて、あっという間に半玉終わってしまいました。そして気づいたのです。
「涙がまったく出ていない!!」
思わず夫に報告に行ったほどです。(※涙の出具合には、個人差があると思います)
デザイナーに聞いてみると、
「薄刃なので、繊維をつぶしにくいみたいです。」
「ただ、玉ねぎで涙が出ないようにとお願いしたわけではないので、薄刃がゆえに、結果そうなったという感じです。でも、みんなから同じような報告があって、嬉しいです。」と喜んでいました。
みじん切りも、最初の縦に切り込みを入れる時点で細い間隔でスッスッと包丁が入ります。これも薄刃ならではなのかと感動。おかげでいつもより細かいみじん切りになって、まるでシェフ気分です。
一度買った包丁って「まだ使えるし」となかなか替えるきっかけがなかったのですが、「最適包丁」は、仕事から帰ってバタバタと夕食の支度をする時の気持ちを上向きにしてくれる。そんな大切な役目をはたしてくれました。
編集担当 今井