日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。
2020-12-02
木のカトラリーがいきいきするのを、家族と楽しんでいます。尾山製材の「みつろうクリーム・オイル」
ブランド:尾山製材
尾山製材は富山県で製材をしている材木屋でありながら『人と自然に優しい』をコンセプトにみつろうクリームを製造しています。『里山再生』を目標に掲げており、富山県産虫喰い楢材を利用した製品にも取組んでます。木製品が好きです。新品も好きですが、長く使って味わいが出てきた様子がもっと好きです。特にこの10年くらいは、家族ができて身の回りのものに気を配るようになったことで、木のカトラリーやお皿が増えていきました。
ただ、木は使い続けるだけだと乾燥して、力を失っていきます。そこへ、このみつろうクリームを塗ると、生き返ったようにいきいきと輝きだします。
自然由来の成分なので、床、テーブル、カウンターから、カトラリーにも安心して使えます。オイルタイプもあり、面積の広いものにはクリーム、フォークなどつくりの細かいものにはオイルが浸透しやすく便利です。
つくり手の尾山さんは製材屋さん。自分が育った富山の里山を残したい、という夢に向かっています。木への愛情がとても強く、会うたびに、こんな面白い木に出会った!という話をしてくれます。このみつろうクリームも、木を大切に使う方法を広めたい、という尾山さんの思いから生まれたものです。
日本には木造の建物も多く、木の家具なども身近にありますが、状態を整えて長持ちさせる方法を知る機会は、少なくなっているように感じます。
これから都会から地方へ移住する人も増えていきそうですが、そういう時流の中でも、こうした木と付き合う道具や方法を知っておくのはいいことかもしれません。
この間は子どもと一緒にみつろうクリームとオイルでカトラリーの手入れをしました。磨いたものがいきいきとしてきて、母親からも「きれいになったね」と声をかけられて嬉しそう。そういう体験があると、ものを大事にしようという気持ちに自然となるんじゃないかなと思っています。
買って終わりでなく、ものと長く付き合う習慣を我が家でも続けていきたいです。
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