日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。
2020-09-24
一年を通して活躍する手ぬぐいストールです。竹野染工の「Oo (ワオ)」
ブランド:竹野染工 Oo(ワオ)
ロール捺染による両面染色技術をもとに、「重ねの色目」という日本古来の色彩文化に着想を得たブランドです。日本の季語をモチーフとした色で表と裏をそれぞれ異なる色で染色し、これまでの手ぬぐいにはない色合いを楽しめます。この夏は「Oo (ワオ) 」を首に巻いて自転車通勤しました。
普段は冬にマフラーを巻くくらいで、あまり首まわりのものを身につけません。汗っかきなので夏は手ぬぐいやタオルを巻きたいところですが、うまく巻かないと作業感が出てしまいそうで、僕は手が出ずにいました。
Ooは手ぬぐいに使われる「和晒 (わざらし)」の生地で出来ています。輪っか状になっていて、かぶるだけで楽につけられるのが気に入りました。
仕事では白シャツを着ることが多いので、色は白に合いそうな青と水色の組み合わせを選択。
この手ぬぐいのリバーシブル染色は、日本で唯一、Ooの作り手である竹野染工さんだけの技術だそうです。
手ぬぐいの一大産地、大阪堺に工場を構える竹野染工さん。昔からの染色法「ロール捺染」をさらに進化させて、全国で唯一、手ぬぐいの両面染色が可能に
つけてみると、表に見える色に変化が出るのでいろいろな服に合わせやすく、アイテムとして取り入れやすいなと感じました。
生地がやわらかく、肌に触れてもサラッとしてまとわりつきません。薄手でゴワつかないので、僕は襟の内側に入れて使います。そうすると首元の汗やベタつきをおさえてくれて、会社に着いた後も快適です。襟元の汚れも防げるので、仕事着にもやさしいのが嬉しいです。
畳むとハンカチくらい小さくなって、お尻のポケットに入れて持ち運べます。
洗っても色落ちも気にならず、休日はカバンに入れて手ぬぐい代わりに使ったりと何かと便利です。日焼け対策にも使えます。
これからの季節はマフラーの手前の防寒やコートの襟元の汚れ防止に、それと少しずつ外に出る機会が増えているので、アウトドアにも活躍しそうです。ちょっと動いても、首に巻いておけば汗を吸って、ほどけて巻き直す手間もありません。朝晩の冷える時にも首元を守ってくれます。
竹野染工さんは、Ooを「ネックアンダーウェア」「首の肌着」と表現しているのですが、使ってみてその通りだなと感じました。暑い季節の日除けや汗拭きに、寒い季節の防寒に、服の襟汚れの防止にと、一年中首まわりを快適に過ごせそうです。
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