日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。
2020-09-23
着けているのを忘れるような軽やかさが好きです。towatoiのショール
ブランド:水布人舎 towatoi
豊かな「水」の恵みに支えられ「人」の手を経て完成する「布」。それは長い歴史の中でかたちを変えながら、いつも暮らしの役に立ってきました。水布人舎は、そんな「布」と「人」の関係が未来にも続くことを願って生まれたタオルの創造プロジェクトです。普段はあまり首まわりのものを身に付けないのですが、これは巻いているのを忘れるような軽くてやわらかな着心地が気に入りました。暑い時にも冷える時にも活躍しています。
作り手の工房織座(こうぼうおりざ)さんはタオルの一大産地である今治の織物メーカーさん。中川政七商店が運営する展示会「大日本市」に初期の頃から出展されていて、10年以上のお付き合いです。
古い織機を大切に手入れしながら他にない複雑な織り方を研究されて、繊細で美しいストールやショールをたくさん手掛けられています。
このtowatoiというブランド名は、「towel+matoi」を合わせた造語で、地元今治のタオル素材を、まとえるショールにという発想から生まれたそうです。名前のとおり首に巻くと本当にタオルのような肌あたりで、暑い時には首筋にかく汗を吸収してくれます。
今治のタオル織機で織り上げられる生地は、肌あたりやわらか
さらに好きになったのが、夏に冷房のきいた室内で身に付けていた時でした。首元を柔らかく包んでくれる安心感があり、首まわりの冷えを防いでくれます。
伸縮性があるので肩から背中にふんわりかけることもできて、使わない時にはコンパクトに持ち運べます。
お手入れも簡単で、ネットに入れて洗濯機で洗えます。使用しているとだんだん糸の撚りが穏やかになりますが、洗うと伸縮性が戻って、またふかふかになります。
こうした使い勝手のよさはタオル素材ならではですが、見た目は繊細な織りの風合いがあって、リバーシブルの配色でいろいろな巻き方ができるようになっています。機能的なだけでなく、まとう楽しさのあるところが、織りを極めてこられた織座さんらしいなと感じます。
色は、よく着る白や黒の服に合わせやすそうなネイビーを選びました。これからの肌寒い季節にも、長く活躍してくれそうです。
今回選んだのはネイビー。ライトグレーとのリバーシブルになっている
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