わざわざ外に出しておきたい美しさです。山次製紙所のお茶缶

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

語り手:中野 悟史

中川政七商店主催の展示会「大日本市」の実行委員。映画が好きで年に150本くらい観ています。休日はギターと美味しいパン作りの練習に励んでいます!

ブランド:山次製紙所  
推しの逸品:series 茶缶

手漉き越前和紙のメーカーである山次製紙所が、 日本の生活に馴染んでいた和紙が洋紙に置き換わる中で、洋紙だけでなく和紙にも 「多様な用途」を持たせ、和紙の可能性を模索していきたいと考え立ち上げたプロダクトラインです。

自宅では山次製紙所さんの青い缶にコーヒー粉を入れて使っています。置いてあるのはキッチンではなく本棚です。



映画が好きで、家で観るときにはリビングのテーブルでコーヒーを淹れて飲むのですが、そんなときに手の届く本棚にコーヒー缶があると使い勝手がよく、定位置になりました。一番サイズの大きい「大」なら計量スプーンも中に入れておけるので、さっと使えて重宝しています。

独特な陰影のある模様と落ち着いた和紙の色合いのおかげで、本の横にあっても浮かず、部屋によく馴染んでくれています。

もうひとつ、使うときにちょっとした楽しみなのが、模様合わせです。この缶は、山次さん独自の「浮き紙」という技法で表された凹凸のある模様が何よりの魅力。その模様が蓋と本体とでぴたっと合うように閉めると、なんとも気持ちがいいです。



時々飲むお茶用に、黄土色の「中」も茶葉入れとして持っています。他にもサイズや色違いでお菓子やパスタ入れにと揃えると、統一感が出て良さそうです。棚にしまい込まずにわざわざ外に出しておきたい、美しい食卓道具です。

その他の記事

お知らせTOPに戻る