リアルな毛並みとブンブン動きそうなしっぽがたまりません。匠工芸のアニマルスツール

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

語り手:佐々木 香里

アートディレクターとして、店頭のコミュニケーションなどを担当しています。大きなお寺近くで日々穏やかに暮らしています。大阪から奈良に越してきたのですが、たまに足を運ぶ奈良公園で、たくさん過ごす鹿たちを眺め愛でる日常が、動物好きな私には幸せな時間です。

ブランド:匠工芸  
推しの逸品:ANIMAL STOOL

日本有数の家具産地、旭川で1979年に創業した家具メーカー。 大雪山にいだかれ、豊かな緑にかこまれた工場で、職人が家具づくりにはげんでいます。 こだわっているのは、意匠上のうつくしさと道具としての機能性の両立。 「つくっているのは、心地です。」を合言葉に、使う人の人生によりそうものづくりを目 指しています。

フェイクファーとは思えないリアルな毛色と、今にもブンブンと振り回しそうなしっぽがたまらなくかわいい。毛並みは猫のお腹のようにやわらかで、座るとフカフカ。ペットNGの部屋に住む動物好きな私が、ずっと欲しかったあこがれの商品です。毛色は悩みに悩んでコヨーテブラウンにしました。



脚部分が木製なのがまた絶妙なバランスです。全体がファーだとちょっとファンシーさが強く、私の部屋には置きづらかったかもしれません。木目の美しさと計算された曲線美が、このアイテムをかわいらしさだけじゃない、洗練されたデザインスツールに昇華させているように感じます。


手掛けるのは家具産地、北海道東神楽町の匠工芸。垂直耐荷重量200kgという驚きの頑丈性も兼ね備えています

どこに居てもらうかはずいぶん悩みましたが、メインの置き場所は玄関にしました。朝出かけるとき、夜帰ったとき。靴を履いたり脱いだりする時に助けてもらっています。帰ったときには「ただいま!」となかば抱きつくように座り込み、その見た目とやさしい座り心地に癒やされています。



休日は、玄関だけではもったいなく思えて、リビングに移動してもらいます。小さなボディで子どもでも持てるくらいの重さなので、持ち運びもしやすいです。オットマンとして使ったり、ソファーに疲れたらこちらに座ったりして、一緒に過ごしています。



お手入れは毛並みをブラシで整えること、というのも動物好きにはたまりません。この間、とうとう名前もつけてしまいました。1匹だけではなんだかさみしそうなので、ウルフグレーミックスも検討中です。

 

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