考え事をしている時は、これで気持ちが整います。白木屋傳兵衛の「はりみ用小箒」

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

語り手:寺﨑 美緒

バイヤー、主に企画展の企画や商品の仕入れを担当しています。『衣・食・住』に関する道具やモノの背景を知って、モノを使うことを大切にしています。旅行好き。観光情報を元にするだけでなく、その土地の人々の暮らしや雰囲気を感じられる様な場所やお店を発見するのが旅の醍醐味だと感じています。

ブランド:白木屋傳兵衛  
推しの逸品:はりみ用小箒

弊社は天保元年(1830年)、今の銀座に畳表を商う店として創業を開始致しました。 その後ここ「京橋」に移り、以来昔と変わらない「江戸箒」の製造・販売を続けております。 自然を大切にし、自然と同化する日本文化を「体現」した江戸箒を、ぜひ一度、御体験下さい。

家の掃除に、掃除機と併用で箒を愛用しています。電源が要らず、静かで、気になった時にさっと掃除できるのが便利です。

箒にもいろいろな種類がありますが、床用の長箒の他に重宝しているのが卓上箒です。


箒の種類も様々。向かって右が、卓上箒です

江戸箒の老舗・白木屋傳兵衛さんの「はりみ用小箒」は穂先がしっかりと硬く、ぱつっと切れているのが荒物らしい雰囲気。コーヒー豆をミルで挽いた時など、ざっざとテーブル上のゴミを集めてくれます。



テーブル以外にも、窓のサッシや玄関の靴の汚れ落としなど、家のいろいろな場所で使えます。これからの大掃除の季節にも活躍してくれそうです。

空間の中にあってもインテリアと馴染んで浮くこともなく、目に入るところに置いてあると、つい手が伸びて、きれいにしたくなるから不思議です。



ちょっとしたゴミなら手で集めることもできるのですが、道具を使って掃除をすることで、気持ちもすっきりと整うように感じます。持った時の手触りや、掃いている間の音、手を動かした分だけきれいになっていく体感の心地よさが、そう思わせてくれるのかもしれません。考え事をしている時に、無心で卓上箒で掃除することもあります(笑)。

利便性以上に、道具を使う楽しさ、気持ちよさを教えてくれるアイテムです。


 

その他の記事

お知らせTOPに戻る