筆屋さんならではの使いやすさに驚きました。あかしやの化粧筆

日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。

語り手:寺﨑 美緒

バイヤー、主に企画展の企画や商品の仕入れを担当しています。『衣・食・住』に関する道具やモノの背景を知って、モノを使うことを大切にしています。旅行好き。観光情報を元にするだけでなく、その土地の人々の暮らしや雰囲気を感じられる様な場所やお店を発見するのが旅の醍醐味だと感じています。

ブランド:あかしや  
推しの逸品:化粧筆

奈良筆の歴史と伝統につちかわれた匠の技と心を継承する筆専門メーカー「あかしや」の化粧筆

メイクの仕上げやアイブロウに筆を使ってきましたが、あかしやさんの筆に変えてみて、その違いに驚きました。

あかしやさんは、国の伝統的工芸品指定も受けている「奈良筆」の老舗。創業は中川政七商店と同じ1716年です。

パウダー用ブラシに白粉やプレスドパウダーをのせて使うと、まず感じるのが肌あたりのやわらかさです。毛質が今まで使っていたものと全く違うのがすぐにわかりました。



パウダーが固まってついたりすることもなく、つき具合が微細に調整しやすいです。これは持ち手の持ちやすさも関係しているように思います。

木製の持ち手は軽く、手にフィットして疲れません。筆をずっと作ってこられたメーカーさんだからこそ、メイクするときの手の使い方を考慮して持ちやすさや使いやすさを真剣に考えてくれているのだなと感心します。



これはアイブロウ用の筆も同じで、力加減がしやすく、ボカシも細かな部分の書き込みも自在です。ちょっと粉をつけすぎたな、ということがなくなってびっくりしました。アイラインの細かなキワの仕上げにも使えそうです。



アイブロウ用の筆は穂先にある程度硬さがあるのが大事かと思いますが、これは一本一本毛が立つような感じで、ハリのある硬さと肌あたりのよさのバランスが絶妙です。

パウダー用、アイブロウ用と、メイクの用途に合わせて毛質や混合の割合を変えている、あかしやさんのプロの技を感じます。



上手に使おうと思わなくても、さっと使えて仕上がりもきれい。パウダリー化粧品を使っている人にはぜひお勧めしたいアイテムです。



 

 

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