日本各地から五十を越える作り手たちが集う中川政七商店主催の合同展示会「大日本市」。 その運営を担うメンバーは、日々、全国の作り手と交流し、年間何百という品物に出会う、いわば「いいもの」の目利き集団。 この連載では、そんな彼らが「これは」と惚れ込んだ逸品をご紹介。実際に使ってみての偏愛を語ります。
2020-11-27
シンプルな佇まいの裏に技あり。ギフトにもおすすめな「sazare」
ブランド:sazare
さざれとは「こまなか」「こまかな石」を意味する言葉です。 日本の国歌にも登場する「さざれ」は、さざれ石(こまかな石)が千年、八千年という遠 い歳月をかけ、積もり積もって、巌(大岩)となり、その上に苔が生えるという情景が詠 われています。日本の実直なものづくりは細部に現れます。このこまかなものごとを、作 り手、使い手、たくさんの人々と、一緒にかたちづくり、巌となり、苔が生えるほどに長 く続いていくこと。 それが私たちの願いです。日本の実直で細やかなものづくりを「さざれ石」に見立てた時計ブランド「sazare」。今回は二人のスタッフが対談形式でお届けします。
吉岡:僕はいつもラバーやステンレスのベルトの腕時計と何本かを使い分けていて、久々の革ベルトでした。大きめのフェイスで存在感があるんですが、裏蓋まできれいに鏡面仕上げされていて、肌との摩擦がなく、つけているのを忘れるくらいの着用感がすごいなと。
寺崎:そうですね。私も腕時計は何本かをシーンや服装に合わせて使い分けているんですが、sazareは今まで持っているものと比べると大きめサイズ。それがつけてみるとゴツゴツした重たい感じがなくて、使いやすいなと思いました。服も、オンオフ両方に合わせやすいです。
吉岡:確かに、男性の場合も、スーツはもちろん、お休みに半袖短パンでもつけられる。
ビジネスでも普段使いでもこれがあると品よくまとめられるなと思います。
寺崎:クセのないプレーンな感じなんですよね。それが、実はよく見るとフェイスの削り出しのガラスが表面張力のようにぷっくりしていたり、枠との境目がわからないくらいスッとつながっていたり、ディティールを眺め出すと楽しい(笑)。ブランド名も、普通はフェイスに入ってますがsazareは控えめに裏にしか入っていないんです。こういう細かなところの技や佇まいにグッとくる人も多いんじゃないかなと思います。シンプルだけど特別感がある。
さりげなく裏面にだけ刻まれるブランド名。着用感の良さと、使用による傷も経年変化として楽しめるようにと、裏面もピカピカに磨き上げられている
吉岡:シリアルナンバーが入っているのも「世界に一本だけ」という感じでいいですよね。誰でも合わせやすいので、ギフトにも良さそう。
寺崎:ギフト、いいですね。誰かに贈られたら嬉しい。ニュートラルなデザインなので、ご夫婦でお揃いとかも素敵です。長年使っても、飽きのこない一本だなと思います。
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