すすむ つなぐ ものづくり展<和紙>
すすむ つなぐ ものづくり展
<和紙>
すすむ つなぐ ものづくり展は、
日本の暮らしを支えてきた「素材・技術」に着目し、
100年先につなぐものづくりを探る試みです。
今回のテーマは「和紙」。
古くから障子や紙幣はもちろん、
茶道や書道、祭事で用いられるなど、
私たちにとても身近な素材です。
時代が移り、暮らしが変わる中で、和紙のものづくりは
今の暮らしに寄り添うものへと進化をつづけています。
これも和紙?と驚くものから、
和紙本来の魅力を再認識させられるものまで。
何を生かし、どのように未来へ残していくのか。
和紙のものづくりを通して、
100年先へつなぐものづくりを考えます。
すすむ和紙のものづくり
和紙を纏う
和紙糸で編んだ洗える和紙の服松久永助和紙店(岐阜県美濃市)
「和紙は弱い」というイメージを覆す、和紙糸でできた服とバッグ。美濃和紙を細いテープ状に裁断して綿糸と撚り合わせ、強くしなやかな糸で刺繍生地を作りました。繊細な刺繍を引き立たせ、まるで糸が浮いているような雰囲気を出せるよう、透け感のあるオーガンジーを土台にしています。
紙刺繍のベスト詳細はこちら紙刺繍のプルオーバー詳細はこちら手漉き和紙でつくったアクセサリーHIROYA(京都府京都市)・ORITO(北海道札幌市)
和紙の軽さと質感を生かしたネックレスとブローチ。それぞれ和紙の魅力を発信する作り手と作りました。ブローチは奈良県吉野の宇陀紙、ネックレスは島根県石見の石州和紙で作りました。それぞれ手漉き和紙の表情を生かし、軽やかな着け心地でお楽しみいただけます。
和紙ビーズのネックレス詳細はこちら和紙の花ブローチ詳細はこちら和紙で活ける
淡雪を思わせる和紙の一輪挿しりくう(愛媛県西予市)
「立体物に和紙を漉く」という挑戦から生まれた和紙の一輪挿し。3Dプリンタで作った立体の骨組みに、和紙の原料・楮と鉱石のゼオライトを混ぜ合わせた溶液を漉いています。淡雪のような和紙の繊細な表情は、活ける植物を静かに引き立ててくれます。
商品詳細はこちら和紙で涼をとる
柄が浮き出す浮き紙団扇と扇子山次製紙所(福井県越前市)
水面が浮いて見えるような凹凸柄は「浮き紙」と呼ばれる、山次製紙所独自の技法で生み出されたものです。エンボス加工(型押し)ではなく、和紙を漉く工程作られています。夏の日差しの下で、凹凸の影が美しく映えて、涼やかな風を運んでくれます。
商品詳細はこちら和紙を灯す
提灯の面影残す心安らぐ和紙の灯りシラキ工芸(福岡県八女市)
提灯の面影を残すやさしい灯り。和紙を通した灯りは形や用途が変わっても、人々に心静まる安らぎを与えてくれています。盆提灯のふるさと福岡県八女市で、現代に提灯文化を伝える職人の手仕事で丁寧に作られています。コードレスで場所を選ばずに置いていただけます。
特集はこちら読みもの100年先のものづくり、それぞれのつなぎかた
守るために、挑戦をつづける作り手たち。作り手の未来につなぐための取り組みと想いを伺いました。
和紙の生まれるところ
和紙が生まれたのは、原材料である楮やミツマタ、雁皮などが育ち、和紙漉きに必要な清流がある自然豊かな里山でした。時代とともに原材料を海外から輸入したり、手漉きが機械漉きになったりしても欠かせないのは清らかな水。ほとんどの工程に水が使われます。そのため和紙は「水の工芸」とも呼ばれるほど。和紙産地がつづくことは、その美しい清流と清流を生み出す自然を残すことにつながっています。
和紙の産地には豊かな自然が残り、和紙とともに受け継がれてきた個性豊かな文化があります。今回ご紹介した作り手の和紙産地から、より和紙の魅力に触れられるスポットをご紹介。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。
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うだつの上がる街並み美濃市
”うだつ”は屋根の両端に作られた防火壁のことです。火事の際の延焼を防ぐ役割だけでなく、「うだつ」を高く上げることは、江戸時代当時の豪商にとって富の象徴でした。美濃和紙で栄えたこの地には、競うように立派なうだつの建物が建てられました。「うだつを上げる、うだつが上がらない」という言葉の語源にもなっています。幸いにも震災や戦火に見舞われることなく、江戸時代から続く風情ある町並みは大切に受け継がれています。
うだつの上がる町並み/美濃市観光協会 -
美濃灯りアート展美濃市
毎年10月に開催される、美濃和紙の再生と「うだつの上がる町並み」の活性化を願うアート展です。美濃和紙を用いたオブジェを一般から公募・審査し、約400点の灯りのアート作品が「うだつの上がる町並み」に展示されます。美しい町並みに毎年アイデアに富んだ作品が出展され、幻想的な光に包み込まれます。コンサートや特産品の販売も行われ、毎年、和紙に感心のある人だけでなく、多くの人々を惹きつけています。
美濃和紙あかりアート展/美濃市観光協会サイト -
紙の神様 岡太神社・大瀧神社越前市
和紙の産地・越前ならではの「紙の神様」を祀る神社。越前だけでなく全国の製糸業に携わる人々が崇敬し、和紙のふるさととして知られています。社殿の屋根は、彫刻が施されたうえに檜皮葺の屋根が何層も重ねられたような形をしていることから、日本一複雑な屋根とも言われます。近くには紙漉き体験ができる「パピルス館」や職人の作業風景を見学できる「卯立の工芸館」があり、越前和紙の歴史に触れることができます。
岡太神社・大瀧神社/福井県公式観光サイト -
八女伝統工芸館八女市
八女福島仏壇、八女提灯、八女手漉き和紙、八女石灯篭、久留米絣など八女地域に伝わる伝統工芸品を集め展示されています。入口では日本一大きい八女石灯篭が出迎えてくれます。旧国鉄の駅舎跡地に建設されたことから館内にレールが突き抜け、その名残を残しています。販売コーナーで工芸品を求めることもでき、併設する「手すき和紙資料館」では手漉き和紙体験も。自分だけのハガキやうちわなどを作ることができます。
八女伝統工芸館/公式サイト -
八女上陽万灯流し八女市
毎年8月16日に、八女市内を流れる星野川の寄口橋と大瀬橋のおよそ300mに渡って灯籠を流す夏の伝統行事です。星野川は蛍も見られる清流。その恵みに感謝する想いと、ふるさとの良さを再発見してほしいとの願いが込められています。日が暮れると、約300個の灯籠をゆっくり流していきます。木枠と和紙で覆ったろうそくの火は、灯籠に描かれた絵や願い事の文字を浮かび上らせ、とても幻想的な風景です。
八女上陽万灯流し/八女市公式サイト -
いかさぎ大凧合戦愛媛県内子町
愛媛県喜多郡内子町五十崎(いかさぎ)で5月5日子どもの日に行われる大凧合戦。400年の歴史を持つとされ、清流小田川を挟んで”ガガリ”と呼ばれる刃物をつけた凧で相手の凧糸を切り合う勇壮な行事です。地元の中学生が挑戦する100畳もの大凧あげは迫力満点です。風の抵抗を受けても強く丈夫な大凧は、この地方に伝わる大洲(おおず)和紙で作られます。近くにある「五十崎凧博物館」には合戦に使用された凧が展示されています。
いかざき大凧合戦/内子町公式サイト
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