自然の景色を思わせる、波皺の表情

「自分らしい一着で、凛と装えるように」と思いをこめた、中川政七商店のセミフォーマル服。 日本の技術が生み出す個性豊かな美しい生地を纏い、特別な日を楽しんでいただきたいと、「風景の見える布」をコンセプトに作りました。 織物産地・富士吉田で織られた生地は、産地の情景が浮かぶような、やわらかくしなやかな波皺（なみしぼ）の風合い。シンプルながらも体のラインをきれいに見せる形で、大人の女性を美しく引き立てる一着に仕上げています。

織物の一大産地・富士吉田で織られる上質な布

山梨県の富士吉田市は、「ハタオリマチ」とも呼ばれる織物の一大産地。その歴史は約1000年も昔の平安時代からで、今でも絹織物をはじめ高級裏地の産地として有名です。 今回使ったのは、経（たて）糸に細いキュプラ、緯（よこ）糸にリネンと綿を使った二重織の生地。端正に織られながらも、なみなみとした揺らぎがあり、さながら水面のさざ波を思わせるテクスチャーです。

ツートンカラーを分けるやわらかい直線は、担当したデザイナーが産地の風景に着想を得て生まれたデザイン。まっすぐに広がった富士山の裾野尾や、地平線を思わせます。

リネンの落ち着いたツヤ感のなかにキュプラの繊細な光沢が見え、シンプルながらも印象的な表情に。表面は無地とメランジ感のあるトップ糸を使い分け、一枚の生地をツートンに織り上げることでフラットに仕上げました。 布地を縫い合わせずにツートンを表現する技法は、シルエットを崩さず、布そのものの美しさをそのまま味わえます。また縫い目のごろつきもないため、ストレスなく着用いただけます。 裏地にも上質なキュプラを使用し、デザインや肌あたりなど、布の魅力を存分に堪能できる一着です。

体のラインを拾わない、すっきりしたデザイン

生地の表情を味わえるようにと、形はとにかくシンプルに。ほどよく足を出しながらも、安心感のある丈感となるよう調整しました。 直線的なデザインが体のラインを拾わずすっきりと見せてくれるほか、軽い素材感ながらハリ感のある生地のため、すとんと落ちるシルエットを実現しています。

首元はアクセサリーが美しく映える開き加減。短めのネックレスも、長めのものも、それぞれを邪魔しません。

合わせる服やアクセサリーでアレンジを楽しむ

同シリーズのジャケットと合わせてフォーマルシーンで着用するほか、一枚でさらりと着用し、ちょっと特別なお出かけの日にも。

シンプルなデザインなので、着用シーンごとにアクセサリーでアクセントをつけながら、印象を変えていただくのもおすすめです。

軽やかなグレーと、上質感のある黒の2色展開

明るめのグレーは春先など、明るい印象で着たい場面におすすめ。軽やかな色合いで生地のやわらなか表情が引き立ちます。黒は光沢がより感じられ、上質感や品のある印象に。いずれの色も式典などのフォーマルなシーンからご友人との食事会などのカジュアルなシーンまで、一枚あれば着回しを楽しんでいただけます。