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TORCHINTORCHIN
TORCHIN

TORCHINトーチン伝統の「八女提灯」から
生まれた、
ポータブルライト

九州最大の工芸集積産地 福岡県八女市。この地で伝統的工芸品「八女提灯」の火袋メーカーとして創業したシラキ工芸が手がけたポータブルライト。提灯づくりの伝統技術を核としつつ、時代に応じた新しい技術も取り入れている。

STORY

提灯の灯りを現代に!伝統の“技”と最新の“技術”が融合した新しい提灯のかたち

仏壇や手漉き和紙、石灯籠、竹細工に和ごまなど、多くの工芸品が作られている九州最大の工芸集積産地 福岡県八女市。

この土地で、ご先祖様を導く盆提灯として長年継承されてきたのが、伝統的工芸品にも指定されている八女提灯です。材料となる手漉き和紙や竹ひごが同地域で作られていたことから、盛んになったとされる提灯作り。盆提灯の生産量は全国一を誇ります。

そんな八女提灯の「火袋(ひぶくろ)」メーカーとして1980年に創業したのが、TORCHINを手がけるシラキ工芸。40年以上にわたって提灯を作り続け、磨いてきた技術を活かして自社ブランド商品の展開もスタート。今の暮らしに馴染む新たな提灯の提案に挑戦しています。

八女提灯の「火袋」
八女提灯の「火袋」
八女手漉き和紙に欠かせない水源、清流「矢部川」
八女手漉き和紙に欠かせない水源、清流「矢部川」
ポータブルライト「TORCHIN」
ポータブルライト「TORCHIN」

リスクを負って自社生産体制を構築し、技術継承に挑む

「技術を残さないといけないと思ったんですよね」

そう話すのは、シラキ工芸 代表取締役の入江朋臣さん。今から20年ほど前、八女提灯業界は、職人の高齢化などによる作り手不足という問題に直面していました。そんな中、「思い切ってやってみるしかない」と、リスクを抱えてでも職人を育て、技術継承していくことを決意したのだと言います。

シラキ工芸 代表取締役の入江朋臣さん
シラキ工芸 代表取締役の入江朋臣さん
シラキ工芸
シラキ工芸

提灯作りの職人を一人育てるためには、およそ3年が必要とされており、それまで、一から育成するリスクを取る提灯メーカーはありませんでした。基本的に外注の内職頼りで進められていた提灯作り。シラキ工芸はその通例を打ち破り、職人を自社で雇用することを始めました。

火袋を作る人、絵付をする人、それぞれの育成には非常に時間がかかりましたが、自社生産体制が整うにしたがって、顧客からの問合せに対して正確に素早く応えられるようになり、仕事も増えていったそうです。職人の育成も軌道に乗り、今は非常に若い方も含めて7名の社員を雇用し、ものづくりに取り組んでいます。

シラキ工芸の職人たち
シラキ工芸の職人たち
シラキ工芸の職人たち
シラキ工芸の職人たち

八女提灯の心臓部「火袋」作り

シラキ工芸が専門としてきた「火袋」とは、灯りを囲むように袋状になった部分のことで、提灯におけるもっとも大切な、いわば心臓部。

この火袋作りは、同じ八女地区で作られる八女手漉き和紙を用いて、伝統技法「一条螺旋式」によって仕上げられます。非常に軽く、綺麗に折りたためることが特徴です。

細いワイヤー(サイズや形状によっては竹ひご)を、手の感覚を頼りとして均等に螺旋状に巻いていく。
細いワイヤー(サイズや形状によっては竹ひご)を、手の感覚を頼りとして均等に螺旋状に巻いていく。
八女手漉き和紙を張り合わせていく
八女手漉き和紙を張り合わせていく
八女手漉き和紙を張り合わせていく
火袋の型。大きなものであれば、木製の型が使えるが、ある程度小さいサイズの提灯の場合、3Dソフトで図面を引き、金型を作成している。
火袋の型。大きなものであれば、木製の型が使えるが、ある程度小さいサイズの提灯の場合、3Dソフトで図面を引き、金型を作成している。
八女提灯に欠かせない、手漉き和紙
八女提灯に欠かせない、手漉き和紙
手漉き和紙

絵付けには、エアーブラシを用いてグラデーションを表現する「吹き絵付」と、筆を用いる「手書絵付」の2種類があり、どちらも熟練した技術を要します。

特に手書絵付に関しては、ワイヤー(ヒゴ)の通っている部分がガタガタしている上、球体ということもあり、線をまっすぐに描くだけでも非常に難しく、地道な修行が必要です。自分なりのデザインを手がけられるようになるには、5年以上の修行が必要とのこと。

球体に絵を描くことは想像以上に難しい
球体に絵を描くことは想像以上に難しい
素早く描画するために編み出された、筆を二本同時に使う技法
素早く描画するために編み出された、筆を二本同時に使う技法

「始めの内は、純粋に自分が上達する楽しさもありました。今は、お客さんがどんな気持ちで購入されるんだろうと、考えるようになりました。亡くなられてしまったのは、誰かの大切な方。その方を思って購入されているんだと考えると、線一本たりとも雑にできません」
シラキ工芸で修行をして12年目になるという絵付け職人の方は、そんな風に話してくれました。

吹き絵付
吹き絵付
吹き絵付

提灯の灯りを現代にともす「TORCHIN」

根強かった盆提灯の需要も、住環境の変化等の影響があり、ここ数年でいよいよ陰りを見せるようになってきました。

そうした状況の変化から、これまで育ててきた若い職人たちと共に、盆提灯以外の商品開発を模索し始めます。そうして生まれた新しい提灯のかたちの一つが、「はこぶ、ともす、ほっとする」をコンセプトにした「TORCHIN(トーチン)」です。

火袋作りの技術はそのままに、LEDライトやタッチセンサーという現代の技術が融合し、家中、どこへでも持ち運べるポータブルライトが誕生しました。

TORCHIN
上部のタッチセンサーでライトが点灯
上部のタッチセンサーでライトが点灯
TORCHIN

バッテリーはUSBケーブルによる充電式。八女提灯の火袋の特性はそのままに非常に軽く、ケーブルレスなので持ち運びも簡単です。上部のタッチセンサーに軽く触れるだけで、点灯し、3段階の調光も可能。家中、さまざまなシチュエーションで、和紙から零れる優しい灯りに癒されます。

「工芸品は必ず進化していくべきだと思っているので、商品の形や見た目、素材が変わっても、工芸品であることに変わりはないと考えています。

でも、その中に伝統の技は残っている。そこが楽しみな部分です。今回は特にタッチセンサーまで採用していながら、火袋の張り方はアナログのまま。その真ん中の技術の部分は残して、まだまだチャレンジしていきたいですね」

職人の技を継承し、提灯の灯りを現代の暮らしに取り入れる。シラキ工芸の挑戦はこれからも続きます。

作り手情報

シラキ工芸 所在地:福岡県八女市緒玉198-1
創業:昭和55年(1980年)
公式HP:
https://chouchin.com/index.html

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