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INASEイナセ石都・岡崎の石屋がつくる、
同じものが一つとない
普段使いの石器

石の聖地として名高い愛知県岡崎市において、およそ100年にわたり石像や灯籠、墓石を手がけてきた稲垣石材店が、うつわなど暮らしの道具をテーマに立ち上げたブランド。手彫りや研磨を得意とする石屋の巧みな技術で、石そのものを活かして作る石器の数々は、自然物ならではの豊かな質感と多彩な表情を併せ持つ。

STORY

数千万年~数億年前の石を日常で気軽に使うというロマン

うつわと聞いて連想するのは陶器や磁器かもしれません。でも、今回紹介するのは石器。そう、石のうつわです。もとをたどれば磁器の主材料は陶石であり、陶器に使う陶土もまた石を原料にしていますが、石器はその言葉の通り、石そのものからできたもの。石という自然物の表情や素材感が楽しめるうつわなのです。

石という自然物の表情や素材感が楽しめるうつわ

多くの石職人が集まる、御影石の一大産地

作り手は、愛知県岡崎市にある稲垣石材店。そもそも岡崎は、御影石(岩石としての名称は花崗岩)という優れた石が豊富に採れることから茨城県真壁町や香川県高松市庵治町とともに日本三大石材産地のひとつとされています。戦国時代に、徳川家康ゆかりの岡崎城を築城する際、多くの石工職人が同地にやってきてそのまま住み着いたこともあり、岡崎は石都または石の聖地と呼ばれるようになりました。

石という自然物の表情や素材感が楽しめるうつわ
稲垣石材店は約40軒の石材店が点在する石工団地内に位置する。町の一角には石づくりの神様を祀る石工団地神社がお目見え。鳥居から階段、賽銭箱にいたるまですべてが石でできている。

そんな石都に稲垣石材店が誕生したのは1927年のこと。現在は墓石を中心に取り扱っていますが、創業者である稲垣清市さんが石像の彫刻師だったことから繊細な石の加工を得意とする石材店として発展。立体への素描力や造形力、それを表現する彫りや削りなどの技術力をもち、たとえば、学校でよく見かける二宮金次郎の石像や美しいドレープの羽衣をまとった観音様なども数多く手がけています。店先にある石灯籠の細かい文様もすべてが手彫りというから驚きです。

見事な石灯籠。形や文様、装飾にいたるまですべてが手彫り!
見事な石灯籠。形や文様、装飾にいたるまですべてが手彫り!

料理人に気づかせてもらった、石の可能性

「石という自然物に触れてもらう機会を増やしたい」と立ち上げたのが、食器や花器といった石のうつわを中心に手がけるブランド「INASE」です。創業者・稲垣清市さんの代から続く石屋の技術や誇りをベースにすべく、そう名付けられました。

「INASE」を立ち上げた4代目の稲垣遼太さん。
「INASE」を立ち上げた4代目の稲垣遼太さん。

きっかけは4代目である稲垣遼太さんのもとに入った「御影石でお皿をつくれないか?」という依頼。依頼主は神戸にあるステーキ店の料理人でした。石のサンプルを持参して店を訪れ、用途はもちろんサイズや形状、艶を出したいのかマットに仕上げたいのかなどの質感に至るまで、こと細かくイメージを聞き出し、それをもとに熟練の石工職人と試行錯誤を重ねました。そうして生まれた石のうつわに料理が盛られたとき、「こんな使い方があったのか」と感動し、これまでにない石の可能性に気づいたといいます。そこから「INASE」としての模索が始まることになるのです。

イメージをかたちにする削りと磨き

石はまず大きなカッターで切削。熱をもつと摩擦で石が割れるため、水をかけながら少しずつカットします。

カッターの刃先には工業用のダイヤモンドが散りばめられている。
カッターの刃先には工業用のダイヤモンドが散りばめられている。

サイズや形を大まかに決めたら、そこからは削りと磨きの連続です。たとえば御影石のコップ。手持ち用のカッターを使いながら外側の美しい曲線を描き出します。手の感触と振動を感じながら、ときにカッターの刃を変えて少しずつ削り成形すると、今度は砥石を当てて研磨を繰り返します。使う砥石は6~7種類。粗めの砥石にはじまり細かい目の砥石に変えて口当たりがなめらかになるまで磨き上げます。ひとつのコップを磨き上げるまでおよそ2時間。繊細な技術はもちろん、気力と体力、根気のいる作業です。

筒型のボテッとした石が、こんなに薄いコップに!
筒型のボテッとした石が、こんなに薄いコップに!
この道30年のベテラン、井上浩二さんは手作業できれいな曲線を描き出す。
この道30年のベテラン、井上浩二さんは手作業できれいな曲線を描き出す。
粗めの砥石から細かい目の砥石まで多種類を使い分ける。
粗めの砥石から細かい目の砥石まで多種類を使い分ける。

素材は、数千万年~数億万年前の自然物

INASEの製品づくりを進めるなかで、稲垣さんは車で30分ほどの山中にある御影石の石切場「中根石材」をよく訪れるといいます。石切場とは石材を切り出す場所であり、中根石材でとれる御影石は結晶が細かく、ムラのない文様が特徴です。

2人を取り囲む、雄大な岩肌すべてが御影石。
2人を取り囲む、雄大な岩肌すべてが御影石。
中根石材で採れる御影石。御影石は石英と長石、雲母(白と黒)からなる。
中根石材で採れる御影石。御影石は石英と長石、雲母(白と黒)からなる。
「地球から石をはがすのが石切の仕事」と話す石切職人の中根浩司さん。
「地球から石をはがすのが石切の仕事」と話す石切職人の中根浩司さん。

壮大な自然そのものの石切場に立つと「石とは大地そのものである」と実感します。岡崎の御影石は恐竜が絶滅する6,600万年前よりもずっと前にできたもの。「石は人間に生み出せる素材じゃない。石のもつ色や質感、表情はすべて悠久の自然が育んでくれたものなんです。そんな石を僕らは使わせてもらっている。そのことを忘れてはいけないと思っています」と稲垣さん。

石本来の個性を活かしたラインナップ

土地が違えば採れる石の種類は違い、その個性は千差万別。INASEでは地元産の御影石のほかにも、神奈川県小田原の根府川石、京都の鞍馬石といった日本の石から、ピンク色がきれいなノルウェーのノルウェージャンローズ、イタリア産のポテチーノなど世界の石まで、およそ100種類の石を扱います。

日本だけでなく、世界の気になる石も取り寄せる。
日本だけでなく、世界の気になる石も取り寄せる。

どう活かすかは石屋のセンスと職人の腕次第。創業以来受け継がれる技術をベースに、多様にアレンジできるのがINASEの強みです。顔が映るほどツルンと磨かれた寿司下駄や自然物である石の表情をそのまま活かした花器、皿の表面に丸型のくぼみをつけた刺身皿、ゴツゴツとした岩肌を想起させる蓋付きの小鉢、QRコードを刻んだQRstoneなど生み出せる製品のバラエティは豊富です。

これまでに作ったINASEの石器のほんの一部。
これまでに作ったINASEの石器のほんの一部。
石にコードを刻んでつくる「QRstone」
石にコードを刻んでつくる「QRstone」

何千万年、何億年という悠久の歴史が育んだ石という素材に、大胆にして繊細な石屋の技術が重なり合い、生み出された石器の数々。手にもったときの重みに、なんだかロマンを感じずにはいられません。

作り手情報

稲垣石材店 所在地:愛知県岡崎市
創業:昭和2年(1927年)
公式HP:
https://www.stone-world.co.jp
公式HP(INASE):
https://inase-utsuwa.com/

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