審査員
日本の様々な手工業品のデザインをし、それら製品群のブランディングや付随するグラフィック等も統合的に手がける。手工業品の生い立ちを踏まえ、行く末を見据えながらデザインしている。ててて協働組合共同創業者・現相談役。
<メッセージ>
工芸産地にデザイナーとして関わるようになった20年程前から各産地で担い手が廃業し、技術・素材・道具が無くなりそうだという話はよく聞いていました。近年は産地がもはや産地と言えない状況になっています。今後産地の再編は不可避だと思っています。新たな産地像とは?それを担うデザイナーとは?既存の産地構造を超え、この地産地匠のコンペが新たな産地像を見出すきっかけになって欲しいと思っています。地域と繋がっているからこその喜びを感じるもの、生活必需品というよりは生活を愛でるものを社会に送り出したいです。
長田 麻衣
株式会社SHIBUYA109エンタテイメント
SHIBUYA109 lab.所長
総合マーケティング会社にて、主に化粧品・食品・玩具メーカーの商品開発・ブランディング・ターゲット設定のための調査やPR サポートを経て、2017年に株式会社SHIBUYA109 エンタテイメントに入社。
SHIBUYA109 マーケティング担当としてマーケティング部の立ち上げを行い、2018 年5月に若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.」を設立。
現在は毎月200人のaround 20(15歳~24 歳の男女)と接する毎日を過ごしている。
宣伝会議等でのセミナー登壇・TBS『ひるおび!』コメンテーター・著書『若者の「生の声」から創る SHIBUYA109式 Z世代マーケティング(プレジデント社)』
<メッセージ>
私は若者マーケティング機関SHIBUYA109 lab.で「新しい世代」と向き合うことを理念に、月200人の若者の生の声と向き合う活動をしています。彼らの消費動向には、「モノ」よりも「コト」を重視する傾向が強く表れています。そのため、生活者が大事にしている世界観とものづくりにおける文脈をいかに融合していけるのかが、焦点になっています。本アワードを通じて、地域に根差して培われた技術・文化・風習と、消費者の視点が一体となり、未来に続くものづくりの在り方の発見に繋がることを楽しみにしています。
奈良県東吉野村に2006年移住。2015年
国、県、村との事業、シェアとコワーキングの施設「オフィスキャンプ東吉野」を企画・デザインを行い、運営も受託。開業後、同施設で出会った仲間と山村のデザインファーム「合同会社オフィスキャンプ」を設立。2018年、ローカルエリアのコワーキング運営者と共に「一般社団法人ローカルコワークアソシエーション」を設立、全国のコワーキング施設の開業をサポートしている。著書に、新山直広との共著「おもしろい地域には、おもしろいデザイナーがいる」(学芸出版)がある。奈良県生駒市で手がけた「まほうのだがしやチロル堂」がグッドデザイン賞2022の大賞を受賞。2023年デザインと地域のこれからを学ぶ場「LIVE
DESIGN School」を仲間たちと開校。
<メッセージ>
僕自身、地域に身を置くデザイナーの1人として、このアワードにとても大きな期待を寄せている。地域の時代だと言われて久しいが、当の現場はまだまだ厳しい状態が続いている。それが不幸だと思ってはいないが、もったいないことだなとは思う。同じような想いでいる、地域に根ざす、関わるデザイナーはたくさんいるのではないか?残念なことに1人の力は驚くほど小さい。けれどその1人が歩みを止めてしまうと、ゼロになってしまう地域は、日本中にたくさんある。このアワードは、そんな小さな歩みにこそ、光を当てるアワードだと思う。「地産地匠」というタイトルには二度も「地」が出てくる、それは紛れもなく、みなさまのいる地域を指している。このアワードは地域にこそ開かれたアワードなのだ。
矢野 直子
積水ハウス 業務役員
兼 デザイン設計部長
多摩美術大学卒業後、良品計画、三越伊勢丹研究所、多摩美術大学講師などを経て2023年より現職。
同社の愛着を育む住宅提案life knit designを統括。
<メッセージ>
この度は、「地産地匠アワード」の審査員を拝命させていただきありがとうございます。
ものを生み出す仕事をする上で、最も大切にしてきたのは「先人の知恵と敬意」です。その地域の風土、産物、ヒト、知恵と手から生まれた無垢なものづくりに幾度もハッとし感動してきました。時には「かなわない」と思ったり、時には「自分だったら?」とわくわく想像してみたり。こんな風に様々な思いを募らせながらものを作り続けるのは私たちの使命です。
その時の想いや美しさを今の私たちの生活にどう変換させ、継承していくのか。その答えをこのアワードで出会えることを楽しみにしております。