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殺風景な壁に、少し大きめのタペストリーを一枚飾る。
いつもの部屋が、いつもと違う景色になった。
テーブルにクロスをかける。
ゆったりした気分で、丁寧に食事を味わう。
よく晴れた日に窓を開ける。
部屋の間にかけた薄布をゆらして、
さわやかな風がすっと抜けた。
一枚の布で、くらしが豊かに広がる。
家で過ごす時間の心地好さが、積み重なっていく。
日本各地で育まれてきた布の技に向き合いながら、
くらしの景色をつくる布をお届けします。
時間をかけてひと針ひと針刺すことによって、布に宿る普遍的な価値を見つめ、さまざまな技を用いながら「刺し子」をテーマに今の表現を探りました。
時間をかけてひと針ひと針刺すことによって、布に宿る普遍的な価値を見つめ、さまざまな技を用いながら「刺し子」をテーマに今の表現を探りました。
あり余るほどに布が溢れている今の社会で、改めて再生のありかたを見つめなおし、手織りから機械織も含め「裂織」をテーマに布を作りました。
あり余るほどに布が溢れている今の社会で、改めて再生のありかたを見つめなおし、手織りから機械織も含め「裂織」をテーマに布を作りました。
かつて日本人の多くが暮らしの中で誂え、手間をかけてきた身近な存在である「布」。
植物や動物から原料を得て糸を作り、織ったり編んだりして身体に纏い暑さ寒さから人を守っていたものが、いつしか美を表現する土台となり、それぞれの土地の文化をも育んできました。
数千年の時間をかけ豊かに発展していった日本の染織文化でしたが、時代の変化にともない現在では日本製の生地を見かける機会は年々減り続けています。
効率や量を求める社会の中で、省かれつつある数々の手間。
我々もそのはざまで試行錯誤を続けてきましたが、常にその手間にこそ宿るものがあるのではという想いがありました。
一気にたくさん作ることができないなら、できる数を長く作る。
急いで早く作るだけではなく、待つことを思いだす。
日本各地さまざまな作り手と出会いながら、一つでも多くの“日本の布” を、百年先の未来へ繋げていくために。「くらしの工藝布」は、中川政七商店のビジョン“日本の工芸を元気にする!” ための歩みを深める、新たな取り組みです。
ファーストコレクションとなる2023年のテーマは、「刺し子」と「裂織」。どちらにも通じるのは、今よりも木綿や繊維製品が貴重だった時代に、一枚の布にかけられた膨大な手間の積み重ねです。
かつての日本人が生活の中で生み出してきた手しごとを紐解き、その営みを再編集しながら、今に生きる「くらしの工藝布」をお届けします。
2012年中途入社。
「割烹着」や「たっつけパンツ」をはじめ、今の暮らしの衣食住にあわせた衣類の開発を担当し、2020年には、麻のインナーブランド「更麻」を企画する。
現在は、「くらしの工藝布」の専任デザイナーとして、工芸の技をテーマにした布づくりに取り組んでいる。